光が眩しく感じるのは病気?
一般的に暗い場所から明るい場所に移動した時などは、多くの光の刺激によって眩しく感じます。しかし、強い光ではないのに激しい眩しさを感じたり、自分だけが眩しく感じたりする場合には、何かの疾患が隠れている可能性が考えられます。
日常生活や体質による原因
パソコンやスマートフォンの長時間視聴
パソコンやスマートフォンを長時間視聴し続けるなど目を酷使すると、目に疲労が蓄積して光を眩しく感じることがあります。
睡眠不足や過労
睡眠不足や過労などによって視覚が敏感になると、通常の光でも眩しく感じることがあります。
コンタクトレンズによる乾燥
コンタクトレンズを長時間使用すると、目が乾燥を起こして光を眩しく感じられることがあります。
瞳の色素が薄い
生まれつき瞳の色素が薄いと、光を眩しく感じやすいという報告があります。
光が眩しい時に考えられる疾患
羞明
羞明とは、通常の光に対して過剰に眩しく感じる状態です。その他にも、光によって目の痛みを感じる、涙が出るなどの症状を引き起こすことがあります。主な原因は斜視や視神経疾患、白内障、ドライアイ、虹彩炎などの疾患が原因として挙げられます。また、自律神経の乱れによって発症することもあります。
角膜炎
角膜炎とは角膜が炎症を起こした状態の疾患です。主な原因は細菌や真菌の感染が挙げられます。主な症状としては、光を眩しく感じるほか、目の痛みを起こすこともあります。
ぶどう膜炎
ぶどう膜炎とは、目で起こる炎症の総称を指します。主な症状としては、光を眩しく感じるほか、視野の歪み、目が充血する、視力が低下する、飛蚊症などを引き起こすこともあります。
網膜色素変性
網膜色素変性とは、主に遺伝によって網膜で起こる疾患です。発症すると、光を眩しく感じるほか、視力が低下する、視野が狭くなる、暗所でものが見えづらいなどの症状を引き起こします。
閃輝暗点
閃輝暗点とは、視界に突然稲妻のような閃光が走り、徐々にその範囲が拡大していく疾患です。多くの場合、10~20分程度で自然に治まりますが、中には1時間程度継続することもあります。また、閃輝暗点を起こすと多くの場合片頭痛を併発します。
自律神経失調症
自律神経失調症とは交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態の疾患で、症状の一つとして光を眩しく感じる場合があります。
光が眩しい時のケア・対処法
目の乾燥を防ぐ
目が乾燥すると、網膜が傷つきやすくなって目の表面に凹凸ができるため、光が乱反射して光を眩しく感じるようになります。したがって、意識的にまばたきの回数を増やしたり、小まめに目薬をさすなどして、対策しましょう。
紫外線によるダメージを軽減させる
人体にとって有害な紫外線は目を損傷させ、光を眩しく感じるなどの症状を引き起こします。紫外線が強い日にはサングラスを装用するなどして目を守りましょう。
症状が強い、改善しない場合には眼科を受診する
目が開けることが困難なほど強い眩しさを感じたり、頻繁に光を眩しく感じる場合には、自己判断で放置せずにすぐに眼科を受診するようにしましょう。
光が眩しい時によくある質問
光の眩しさとともに頭痛を併発することがあるのですが、眼科と脳神経内科のどちらを受診すれば良いですか?
光の眩しさとともに頭痛を併発する目の疾患としては、ぶどう膜炎などの目の炎症や虹彩炎、急性閉塞隅角緑内障などが挙げられます。これら目の疾患が原因の場合は緊急性を伴うため、早急に眼科を受診するようにしましょう。原因が目の疾患以外であると考えられる場合には、適切な医療機関を紹介いたします。
勉強中やテレビを視聴している時、室内の照明に対して光を眩しく感じるのですが、乱視が原因でしょうか?
勉強やテレビの視聴時に光を必要以上に眩しく感じる原因としては、ドライアイが考えられます。ドライアイを発症すると涙の量が減少して目が乾燥するため、角膜が傷つきやすくなります。角膜が損傷すると、表面に凹凸ができて光を乱反射し、光を眩しく感じるようになります。
長時間の勉強やテレビを視聴する際には、意識的にまばたきの回数を増やしたり、ドライアイ用の目薬をさすなどして、目の乾燥を防ぐよう心がけましょう。
車を運転していると、突然前が見えづらくなるほど光を眩しく感じることがあります。すぐに治せるような方法はないですか?
普段よりも光の眩しさを感じたり目に違和感が生じる場合は、何らかの目の疾患が原因の可能性があります。原因を特定しなければすぐに治すこともできませんので、できるだけ早く眼科を受診して、原因を特定することが大切です。
光を眩しく感じることと飛蚊症は関係がありますか?
飛蚊症とは、実際には存在しない小さな虫や紐状の物体が目の前に浮いているように見える目の疾患です。飛蚊症とともに光の眩しさを感じる場合には、ぶどう膜炎を発症している可能性が考えられます。ぶどう膜炎の主な症状は、光を眩しく感じるほか、目の充血やかすみ目、そしてほとんどの場合飛蚊症を併発するという特徴があります。
ぶどう膜炎は放置すると網膜にも炎症がおよび、視力の低下を引き起こしたり最悪の場合には失明に至る危険もあります。気になる症状がある場合には自己判断で放置せず、眼科で眼底検査を行なって眼底が炎症を起こしていないかどうかを確認することが重要です。